J2アルビレックス新潟は14日、約1カ月間に及んだ高知キャンプを打ち上げた。

この日は約1時間半、攻撃練習やセットプレーの戦術確認を行った。アルベルト監督(51)は選手らの戦術理解や戦う姿勢を高評価し、チームとしての方向性を示すことができたことに対し、手応えを口にした。15日に新潟に戻り、23日の開幕に向かう。

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雨の中、アルベルト監督がピッチを動き回り、身ぶり手ぶりを交え、大声で指示を出し続けた。攻撃練習で選手に最も要求したのはパススピードとプレースピード。キャンプ序盤から選手に求め続けているポイントを最終日も強調した。選手は少ないタッチでパスをつなぎ、速い展開でシュートまで持ち込む。本間至恩(19)は「キャンプ開始当初より自分を含め、チーム全体に戦術が浸透してきた」と手応えを口にした。

1カ月に及ぶ高知キャンプを「戦術理解は深まった」と評価したアルベルト監督だが、「練習と試合は別」と話す。DFラインとFWまでの距離をコンパクトにし、相手陣地でのプレー時間を長くするスタイルに挑戦しているが、練習試合では中盤でボールを奪われてピンチを招く場面や、シュートまで持ち込めない場面が見られるなど課題を残す。「今すぐ表現するのは難しい。木を育てるように少しずつ水をやり、最後にきれいな花を咲かせる」と表現し、課題克服までの時間を覚悟していた。

ただ、新シーズンはもう目の前。「華麗なプレーより勝負にこだわるプレーが優先。練習内容を表現するのはずっと先のこと。どの試合も勝ち点3を確実に狙う」と気持ちを高める。23日、アウェー群馬戦で開幕する。「理想より結果。選手らの強い気持ちには満足している。残り1週間で良い準備をして開幕を迎えたい」と力を込めた。【小林忠】

○…今季から背番号10を背負う本間至恩(19)が好調を維持し、キャンプを打ち上げた。監督やコーチからは特長のドリブルを生かすため、FWに縦パスが入った所へフォローに入り、前を向きプレーすることを要求されている。相手ペナルティーエリア内であれば、本間の細かいドリブルタッチは相手DFには脅威。「相手が嫌がる位置で積極的にドリブルを仕掛ける」と話した。