昨季4位の川崎フロンターレがV奪還へ「地の利」をフルに発揮する。21日は川崎市内で最終調整を実施し、今季開幕戦となる22日サガン鳥栖戦(等々力)に備えた。3連覇を逃した昨季はホームでの5勝9分け3敗がV逸の一因になった。攻撃力増の新システムで本拠地を湧かせ、今季は勝ち点を量産する。

   ◇   ◇   ◇

開幕前日の不要な力みは、川崎Fに皆無だった。練習中の真剣な表情とは打って変わり、前日練習後にできた円陣は笑い声に包まれて解けた。5-1で快勝した16日のルヴァン杯清水戦の勢いそのままで臨む開幕戦。新主将のDF谷口は「リーグ戦は少し違った空気になりそうな気がするけど、等々力でできるのは大きいかな」とほおを緩めた。

昨季はホームで5勝9分け3敗。17年は12勝4分け1敗で18年は11勝2分け4敗。優勝候補筆頭の川崎Fに守備を固めてくる相手を完全攻略できず勝ち点が伸び悩んだ。V逸で再認識した“わが家”の大切さ。FW小林は「ホームで強い川崎Fをもう1回見せたい」と全員の思いを代弁した。

4-3-3の新システムの成熟度が“鍵”になる。豊富な運動量から重厚な攻撃を繰り出す、鬼木監督が目指す「超アグレッシブで面白いサッカー」が実現できれば、等々力のボルテージは何度も最高潮を迎えるはず。DF谷口は「この場所でやれば絶対勝つというのをサポーターも一緒になって作っていきたい」と結んだ。昨季はホーム5試合目で分かち合った本拠地初勝利の歓喜を、今季は開幕戦でつかむ。【浜本卓也】