なでしこリーグ1部、新潟レディース(L)のMF田中美和(21)は新潟医療福祉大の4年生(新学年)。なでしこリーガーと、大学生の「二刀流」で、充実したルーキーシーズンを過ごす。ボランチ、トップ下など中盤の中央が主戦場。「負けず嫌いで、粘り強いプレー」を持ち味にしている。

田中は20年シーズン開幕(4月4日予定)を楽しみにしている。新潟医療福祉大が昨季、参戦していたのはプレナスチャレンジリーグ。今季は2段階レベルアップしたリーグ、なでしこリーグ1部でプレーする。「どれだけ通用するか。どこまで成長できるか。試せる機会」。新型コロナウイルス感染症の影響で当初3月22日だった開幕は遅れているが、新人は前を向く。「チーム内でコミュニケーションを取る時間が増えたと思えばいい」と話した。

大学との技術水準の差を感じながら普段の練習に食らいついている。意識しているのはプレーの質だ。「大学と違ってパススピードとか、攻守の切り替えが速い。判断のスピードもつけなければ」と言う。担う機会が多いボランチは、ボールに触れる頻度が高いだけに正確で速いパスを心掛ける。オンとオフをはっきり切り替えて生活する先輩たちの姿勢も見習う。

日ノ本学園高(兵庫)時代に新潟医療福祉大に勧誘したのが、当時、同大監督を務めていた奥山達之現新潟L監督(44)だった。しかし大学入学時には指揮官は新潟のアカデミーダイレクターに転身。田中は大学4年を迎える年に新潟L入りし、ようやく奥山監督のもとでサッカーをすることになった。「1日でも早く試合に出て、勝利に貢献したい」。【涌井幹雄】

◆田中美和(たなか・みわ)1998年(平10)6月24日生まれ、鹿児島県出身。サッカーは小学1年から鹿屋FCで開始。日ノ本学園(兵庫)から新潟医療福祉大に進学。昨季は同大のメンバーでプレナスチャレンジリーグで18試合3得点。19年ユニバ代表候補。157センチ、49キロ。