今春に創設されたJ3藤枝MYFCの下部組織(U-18)で初代監督に就任した瀧利明氏(65)がこのほど、日刊スポーツのインタビューに応じた。育成年代の指導歴が豊富で、これまで多くのプロ選手を輩出。自身も生まれ育った藤枝で再び指導を始める。「1人でも多くの選手をトップに上げたい」と、次代を担う選手を育成して地元へ恩返しする。【取材・構成 神谷亮磨】

藤枝で生まれ育った瀧氏は高校時代に名門藤枝東でプレーした。「地元愛」が強く、藤枝への感謝の思いを持っている。現在も藤枝市在住。藤枝U-18の初代監督を任され、これ以上ないやりがいを感じている。

瀧氏 監督の話をいただいた時に、恩返しをしたいと思いました。チーム立ち上げは時間もかかるし、地域との関係も良好にやっていかないといけない。大変な仕事ですが、Jクラブからオファーをもらえることは本当に光栄なこと。うれしかったですね。

-地元での監督業は責任もある

瀧氏 サッカーが盛んな街ですから、見られ方も違ってくる。手厚く応援してもらえるという点では、すごくいい環境だと思います。同年代には藤枝東や藤枝明誠などもある。そういう強豪チームの仲間に入っていけるように、切磋琢磨(せっさたくま)していきたいです。

-セレッソ大阪ユース監督や02年創設の藤枝東FCジュニアユース監督などを歴任。教え子には清水エスパルスMF河井陽介(30)やロンドンオリンピック(五輪)日本代表の村松大輔氏(30)などがいる

瀧氏 ユース年代の指導で大事にしているのは、個人の技術を上げること。うまくボールを扱えればいい判断ができる。ピッチ内で自分で判断できることが、いい選手の条件。そこを伸ばせば、どのカテゴリーでも、どの監督でもすぐ順応できると思っています。

-先月下旬にはチームが始動した

瀧氏 少しずつコミュニケーションも取れるようになってきた。選手は一生懸命取り組んでくれました。今は新型コロナウイルスの影響で休止になっていますが、1日でも早く普通の生活に戻って、またみんなで練習をやりたいです。

-今後のビジョン、目標は

瀧氏 1人でも多くの選手をトップに上げることが使命。チームとしては、所属しているリーグを1つでも上げることです。

◆瀧利明(たき・としあき)1954年(昭29)10月13日、藤枝市生まれ。藤枝SSSでサッカーを始め、藤枝中から藤枝東高に進学。高校2年時に全国総体優勝。3年時に全国高校選手権準優勝。卒業後はヤンマー入社。日本リーグ、天皇杯優勝。31歳で現役引退。指導者に転身しC大阪ユース監督、藤枝東FC・JY監督などを歴任。

○…J3藤枝は17日、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、活動を一時休止すると発表した。休止期間は来月6日までとしている。クラブ関係者は「緊急事態宣言が全都道府県に発令されたことも理由の1つ」と説明。現時点では来月7日の練習再開を予定しているが、感染状況などで変更になる可能性もある。また、既に活動を休止していたU-15、18の下部組織と、女子チームのルクレMYFCも継続して活動を休止する。