日本サッカー協会(JFA)は23日、新型コロナウイルスの影響により、20年度天皇杯の大会方式を変更すると発表した。出場チームは各都道府県代表47チームとアマチュア代表、J1成績上位2クラブの計50チームに削減。Jリーグ勢の2クラブは準決勝から登場する。再開を目指すJリーグと関係者の安全を考慮し、第100回の記念大会開催に向けて大きくかじを切った。大会方式の変更は5月の理事会を経て正式決定となる。

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人類を脅かす未知のウイルスが、歴史ある大会の第100回大会を直撃した。当初はJ1、J2全40クラブと47都道府県代表、アマチュアシードの計88チームで節目のタイトルを争う予定だった。しかしJリーグをはじめ各種大会の日程に変更が生じていることから、23日に開かれた天皇杯実施委員会で、出場チームを47都道府県代表とアマチュアシードのホンダFC、J1上位2クラブの計50に変更することが決まった。

他にも多数変更点が生じた。リーグ戦消化優先のため、J3クラブの各都道府県予選参加は取りやめに。既に代表が決定している地域もあるが、再選考を含めた代表決定方法は、各都道府県に委ねられる。本戦では移動のリスクを考慮し、1回戦から3回戦までは各地域単位でトーナメント表のブロックが組まれる。また4回戦までの入場無料も決定した。ウェブ会見を行ったJFAの須原専務理事は「関係者の安全、Jレギュラーシーズン消化の2点を考慮した。場合によっては無観客試合もあるかもしれない」と説明した。

9月16日開幕の1回戦で都道府県代表32チームが戦い、同23日の2回戦から他の都道府県代表とホンダFCが出場する。3回戦は10月28日、4回戦は12月12日と13日。同19日と20日に準々決勝を実施し、J1勢は12月27日の準決勝から登場する。それまでにシーズンが終了しなかった場合のJ1上位2クラブの選出方法は、今後検討していく。

決勝は変わらず21年元日を予定。優勝チームにはACL出場権が与えられるが、Jクラブ以外が優勝した場合は、J1クラブに振り替えられる。【杉山理紗】