ヴィッセル神戸は15日、神戸市内で完全非公開の練習を行った。練習後、ドイツ人のトルステン・フィンク監督(52)がオンラインで取材対応し、7月4日のサンフレッチェ広島とのJ1再開初戦以降の強行日程へ、選手の大胆な入れ替えを行っていくことを明言した。

「例えば、イニエスタを(別の選手に)替えると、プレーの質が落ちるのはもちろんだが、若手選手にもチャンスを与えてあげないとダメ。一番大事なのは私が若手を信じて、向こうも返してくれること。最初の11人が毎試合出るのは現実的ではない。けが人を避けたいので、選手のローテーションが大事になってくる。若手は理解度が高くないかもしれないが、元気さなど長所はある」

主力に無理な連戦をさせないなどの対策を取ることを示唆し、以前から明言していた若手の抜てきも行うという。

フィンク監督がバイエルン・ミュンヘンでの現役時代、当時のヒッツフェルト監督が選手と意思疎通を図った上で、うまく控え選手らを起用。01年には欧州CLで優勝した。現在の自身の采配にも、その体験を取り入れているという。

今週末にはJクラブと初めての練習試合(45分×3)を本拠地ノエスタで行い、来週末には総仕上げの練習試合を実施する。

「練習はうまく進んでおり、今週はもう少し強度を上げて、短い時間で力を出すことを目指す。試合に近い状況をつくっていきたい」

今季の神戸の陣容は27人しかいない。決して豊富な人数ではないが、昨季の天皇杯で初優勝に導いた指揮官は「私の経験上は足りている。予期せぬ事態もあるだろうが、5人の交代枠をうまく利用したい。選手は数より質が大事。たとえ32人いるより、質のある27人の方がいい。こちらでけが人をコントロールする私の役割の方が大きい」。あくまで与えられた戦力で、自身の知恵と決断力を振り絞ってシーズンに臨む決意を明かした。【横田和幸】