地元東福岡出身で今季初スタメンのアビスパ福岡MF増山朝陽(あさひ、23)が決勝点を決め、九州豪雨被災地へ勇気と元気を届けた。試合開始前、両チームにより黙とうがささげられた今節。1958人が入ったホームで初の有観客試合でもあり、燃えていた。

後半25分、サポーターの後押しを力に変えた。FW遠野大弥(21)が敵陣で相手のキックミスのボールを奪うと、増山は前線へ猛ダッシュだ。「ドリブルしている時(遠野と)目が合い、タイミングを見ていた」という。ドリブルで運んだ遠野から絶妙のパスが供給され「ワンタッチでループシュートがひらめいて蹴った」。相手DFのスライディングをかわす鮮やかなゴールだった。

初スタメンで「しっかり結果を残し、目標の2桁ゴール、2桁アシストにこだわりたい。(ファンに)もっと認められるよう頑張りたい」と気合十分だった。

11日のアウェー京都戦でJ2再開後、初の完封負けを喫すなど3試合1分け2敗で厳しい現実を突きつけられ、特に決定力不足は課題だった。だが昨季J1の磐田撃破で今後に弾みをつけた。【菊川光一】