みなさんこんにちは。ユーチューバーの那須大亮です。今回、コラムという活字を通して発信させていただくことになりました。Jリーグで18年間プレーし、現役中の18年からYouTubeで活動しています。

現在、YouTubeは非常に大きな影響力を持った媒体になりました。ただ私が参入したときは、今ほどの規模ではありませんでした。ですから、はじめは現役中だったこともあり「サッカーちゃんとやれよ」なんて笑われるようなこともありました。今や、視聴したことがない人のほうが少ないのではないでしょうか。

引退後にこの道を選んだ最大の理由は、18年間お世話になったJリーグへの貢献と発展のためです。僕はサッカー、そしてJリーグに生かされた。いろんな角度から、恩返しをしたかったのです。

選手の引退後のステージとして、多くの方が指導者を思い浮かべるかもしれません。僕も、もちろん興味がありました。ただそれ以上に、サッカー自体の価値をもっと向上させたいと考えていました。

例えば日本における監督やコーチは、海外と比べるとどうしても、個人の主張を反映させづらい部分があります。また選手にも言えることですが、海外を見ても、ビジネスモデルの規模の大きさが違う。まずは監督をはじめクラブスタッフ、そして選手の個人としての価値向上を、YouTubeを通じて行いたいと思ったのです。

神戸でプレーしていた当時から、この媒体の市場の大きさや影響力は、知れば知るほど大きい。特に若い世代の視聴者が多いです。Jリーグは主なファン層が30~50代。若年層にも興味を持ってもらい、新しい人気につなげたい。その入り口になりたいのです。

現在の立場になってJリーグを見ると、周囲で支えている存在により目がいきます。例えば、当たり前のように思うスポンサーの大切さもあらためて感じます。選手はピッチに集中するのは自然ですが、支援があるからこそ、ストレスなく取り組めている。スポンサーの皆さんに恩返しするためには、個人が価値のある存在になること。ひいてはそれが、Jリーグの発展やビジネスモデルを大きくする上で必要だと再認識しました。

異例のシーズンとなった今季の話も。J1は全試合をフルで見ています。今季は日程が過密になり、交代枠も増えました。総合力が問われます。このレギュレーションで、川崎Fはさらによくなったように見えます。チーム内競争をしながら結果も残し、新戦力が表現する時間もある。かなりいい循環でやれていると映ります。

今後は僕が活動する世界についてはもちろん、サッカーの専門的な部分も伝えながら、生きる上での僕の考え方などもお話ししていきたいと考えています。那須大亮やYouTube、そしてJリーグにより興味を持ってもらえたらありがたいなと思います。どうぞよろしくお願いします。

◆那須大亮(なす・だいすけ)1981年(昭56)10月10日、鹿児島県生まれ。鹿児島実-駒大。DFで02年に横浜入り、03年新人王。横浜在籍6季でリーグ優勝2度。東京V、磐田、柏、浦和、神戸を経て昨季引退。04年アテネ五輪代表主将。180センチ、77キロ。