J2アルビレックス新潟は12日の第11節、ホームのデンカビッグスワンスタジアムで21位山口と対戦する。

3試合引き分けが続く新潟は、勝ち点15で7位。下位低迷の相手から確実に勝ち点3を奪いたい。チームの精神的支柱でもあるDF舞行龍ジェームズ(31)は対人の強さを生かしたプレーで守備を支える。得意のフィードでも攻撃の起点ともなり、4試合ぶり勝利を引き寄せる。

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気温30度以上、無風の中行われた11日の前日練習でも舞行龍は顔色ひとつ変えず、引き締まった表情で練習に取り組む。戦術理解を深めるために毎回行われる、10対10のポゼショナルゲーム(ボール回し)では気迫のこもったスライディングでボールを奪取するなどチームの士気を高めた。負傷明けの7月4日ホーム金沢戦(3●5)で後半途中出場して以降、7試合連続先発出場中だが「コンディションはいい。連戦が続くが全試合出たい」と意欲をみせる。

対戦相手の山口は2勝2分け6敗で21位と下位に沈むがボール保持率を高めて、したたかにゴールを狙ってくる。舞行龍は「うちが攻撃している時でも嫌なところに選手が残る」と相手攻撃陣のポジション取りを警戒しながら、攻撃に転じれば持ち味のフィード力が生きる。「縦に急ぎすぎず、タメを作りながら攻撃したい。中盤にスペースができた時にスイッチを入れる強い縦パスを狙えたら」。最近5試合で複数得点が奪えていない攻撃の起点にもなるつもりだ。

前節8日のホーム大宮戦(1△1)では前半5分、簡単にDFラインの裏へスルーパスを通されて先制点を献上したが、失点の場面を除けばチーム全体で体を張り、失点を防いだ。「日々のポゼショナルゲームで攻守の切り替えのところを重点的に行っている。良さが試合で出て来ている」と手応えを感じている。

舞行龍は4試合ぶりの勝利へ向け、ホームで守備的な試合をするつもりはない。「高い位置からプレスを掛け、ボール支配したい」。昇格圏の2位、徳島とは勝ち点差4。勝てば一気に視界が広がる。【小林忠】

○…好調キープのMFロメロ・フランク(32)は山口戦へ向け、「相手ボランチとDFラインの間に入ってボールを引き出したい」と話した。ボールを受けた後はドリブル、ワンタッチパスで相手に的を絞らせないプレーを繰り返すつもり。前節大宮戦は左足で1得点を決めた。「チャンスがあれば、また決めたい」と2戦連発へ意欲をみせた。