鹿島アントラーズは20日、元日本代表DF内田篤人(32)が現役を引退すると発表した。

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19年に鹿島担当になった。初めて取材した際は、「(カットのしぐさをしながら)今のはコレで」などと、あっけらかんと、ざっくばらんに話す独特のテンポに驚いた。イケメンでありイクメンで、娘さんが好きだというアンパンマンのTシャツをよく着ていた。「これから(子どもを)迎えに行かなきゃ」と、急いで練習場を後にする日も多かった。記者のこともよく見ており、「おしゃれなメガネだね」と気づかってもらったかと思えば、クリスマスイブの日には「こんな日に何してんの」と突っ込まれた。画面を通して見てきた印象はクール。こんなに子煩悩で、おちゃめな人だとは思わなかった。

後輩思いでクラブ愛が強かった。昨年、鹿島に所属していたDF安西が初めて日本代表に選出された際は、記者に囲まれると、自身に関する質問は一切ないのに、時間をかけて期待とエールを言葉に込めた。練習後は若手とピッチで話し、居残り練習をする姿も。センターバックのDF町田が試合に出始めた頃は「隣で成長させなきゃ」とも話していた。ユーモアがあり、全方位への気配りができる人。この先どんなキャリアを選ぼうと、成功する人だと思う。

【鹿島担当=杉山理紗】