株式会社ベガルタ仙台は6日、仙台市内で取締役会を開催した。

20年度中間決算および同業績見込み、「経営検討委員会」からの提言が議題になった。上期(2月1日~7月31日)は1億7800万円の赤字、当期では過去最悪の6億6400万円の赤字を見込む。同社の純資産は3億5600万円で、3億800万円の債務超過に陥る公算だ。クラブ存続危機に際し、今月中にはサポーターズ・カンファレンスをオンラインで実施。11月中には中期ビジョンを公表する。

Jリーグの規定では3期連続赤字または債務超過で、リーグ参加資格のクラブライセンス剥奪につながる。同社は18年度から2期連続赤字で、20年度は最終赤字と債務超過が見込まれるが、コロナ禍での特例措置により来季はリーグ参加が保証される。菊池秀逸社長(68)は債務超過解消への道筋について「Jリーグと意見交換をしている。3、4年(で解消)という形で検討していただきたいと伝えている」。さらなる猶予期間を得るためにリーグ側と交渉中だと明かした。

クラブ存続危機で菊池社長、ベガルタ仙台・市民後援会、宮城県、仙台市、宮城県サッカー協会、アイリスオーヤマなど9人の関係者からなる「経営検討委員会」が発足。7月から5度会合があり、スポンサー獲得強化、ユアテックスタジアム仙台の使用料減免措置、身を削る改革、クラウドファンディング(CF)実施など提言を受けた。

クラブは9月26日から21年1月16日までCF、口座振込、スタジアム募金で合計5000万円を目標に資金を募り、6日現在で約1400万円が集まった。同期間中は10~12月までの役員報酬2割カット、来年1月以降は同1割カットを実施。また14日の横浜FC戦からは3400人から9500人に入場可能者数を引き上げ、観客動員にも注力していく。