モンテディオ山形が3-0でFC琉球を下し16位から13位に浮上した。前節終了後に、今季チーム最多6ゴールを挙げていたFW山岸祐也(27)が現在2位のアビスパ福岡に電撃移籍。攻撃の核の1人を失ったが、新コンビがいきなり機能した。

前半6分、山岸が得意としたトップ下に入ったMF南秀仁(27)が、センターサークル付近でボールを奪うと、ヴィニシウス・アラウージョ(27)にロングスルーパス。先制ゴールをお膳立てした南に、ヴィニシウスはスパイクを磨くパフォーマンスで感謝した。35分には、MF岡崎建哉(30)からのパスを受けた南が、右足で2点目を決めた。

南はこれまではサイドハーフでの起用が多かったが、元々テクニックとアイデアに富む選手。「自分はそんなにスピードがあるタイプではないので、サイドに張っているよりも、中でみんなとコンビネーションした方が生きると今日も感じた。とてもやりやすかったです」と好感触。ヴィニシウスも「南はすごく頭がいいし、技術が高い選手」と新コンビに手応えを感じている。石丸清隆監督(46)は「結果が出たのは、南にとって自信になったと思う。でもプレーの連続性と守備のところは課題がある。まだまだよくなると思う」と全く満足していない。

山岸流出後、チームはすぐにセレッソ大阪からFW山内寛史(25)、MF前川大河(24)と攻撃的選手を補強した。ピンチをチャンスに変えようと、競争意識は高まるばかりだ。ヒーローインタビューで南は「僕だけじゃなく、みんなが120%の力を出したと思う」。サポーターから沸き起こった拍手が、今後への期待の大きさを表していた。【野上伸悟】