ヴィッセル神戸の元日本代表FW田中順也(33)がサッカー人生の極意を明かした、20日、神戸市内での練習後、オンライン取材に応じた。

今季は8月に左内転筋を肉離れし、15試合連続という、かつてない長期欠場を余儀なくされた。

復帰した10月10日の柏レイソル戦では、いきなり2得点するなど現在は3試合連続で途中出場中。ここまで11試合2得点で先発は1試合。柏、ポルトガル移籍などを経て、今季プロ11年目のベテランが、離脱中に感じたことを語った。

◆極意その1「蹴りすぎに注意」

「(左内転筋の故障の原因は)FWなのでシュート練習を多くしていて、蹴りすぎてしまったのが一番の原因。(利き足の)左足をこれだけ人生で蹴り続けてきて、痛んだのでちょっとショックだった。その後は気をつけて、練習前後でストレッチ、マッサージをしてきっちりケアをしている。再発しないように慎重に治した」

◆極意その2「心は乱さない」

「スタメンで出たい、自分が出て勝たせたいという思いが強かった。なんで(監督は先発で)使ってくれないんだ、という思いを強くしすぎてけがをした。とにかく、どういう使われ方をしても心を乱さず、自分のプレーを維持するのが大事だと改めて思った。心を乱してはいけない。焦り、いら立ち、自分はそういうタイプの人間なので」

◆極意その3「きっかけは自分たちが作り出す」

「昨季も最後に天皇杯を取れて、今年に関しても(11月に再開される)ACLがある。Jリーグの順位(現在11位で優勝の可能性は消滅)は難しいが、きっかけは自分たちで作り出せるもの。タイトルを取るために、気持ちを切り替えられるか。そういう意味でJリーグを大切にして、チーム全体の調子を上げていけるか。その熱量を周囲の選手に伝えていくのが僕の役目」

◆田中の結論

「けがの時は、いろんなことを思い直す時間になった。謙虚にやんなきゃと思うようになった。(夫人ら)周囲との意思疎通で感じたことも大切。自己啓発ではないが、本を読んだり、ユーチューブでいろんなことを学んだ。自分が先発で起用されない理由は必ずあると思うので、ひた向きに取り組むのが大事。そこしか考えていない。チームの助けになりきれていないので、自分がゴールを取らないといけない」

21日は鹿島アントラーズとホームで試合がある。さらに大人になった田中に、7月11日大分トリニータ戦以来の先発出場の機会があるかもしれない。【横田和幸】