J2アルビレックス新潟は21日、ホームで15位ファジアーノ岡山FCと対戦する。クラブは19日、酒気帯び運転の疑いで書類送検されたファビオ(23)とペドロ・マンジー(32)との契約解除を発表。チームが大揺れの中でも選手たちはいつもと変わらず懸命にボールを追いかけた。2選手の処分後、初のホームゲームとなる一戦。アルベルト監督(52)はサポーターのために、必ず勝ち点3を奪うことを約束した。

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「明日は試合だぞ。集中しよう!」。試合前日に行われたポジショナルゲーム(11対11のパス回し)でアルベルト監督はこの言葉を繰り返し、選手を奮い立たせた。普段の練習であまり口にしない言葉を投げかけた指揮官は、「前日会見の影響で集中できていないと思ったわけではない。選手たちは連戦で疲れが見え始めている。この日の練習に集中させるため、ポジティブな声掛けが必要だった」と理由を説明した。

これまでの一連の騒動について、アルベルト監督は自ら話を始めた。「(9月)17日に2人が書類送検される見込みと聞いた時は悲しく、残念に思った。それと同時に家族のような感覚に近い、怒りも覚えた。それにより直後の試合(9月19日、徳島戦)は私の判断で2人を起用しなかった」。任意捜査中でもファビオを6試合で起用したことについては、「社長から法的に起用しても問題ないと伝えられ、クラブの規約で進んだ。チームのために選手を起用した。倫理的に正しかったかは、答えられる立場にない」と話した。

練習前には是永大輔社長(43)がクラブハウスを訪れ、2選手の契約解除の経緯について所属選手へ説明があった。詳しい内容は明かされなかったがMF島田譲(29)は、「クラブの説明はしっかりしていたし、選手は100%試合に集中している。(選手から)多少の意見は出たが、選手同士でそのことについて話し合うなどはなかった」とキッパリ。

ピッチ外の問題でクラブに不信感を抱きながらも、選手を応援するサポーターは少なくないはず。アルベルト監督は岡山戦へ向け、「選手は自信を持ってプレーできている。団結して試合に臨む」と勝利に向け強い決意を口にした。【小林忠】