アルビレックス新潟は東京ヴェルディと2-2で引き分け、3試合連続ドローとなった。先行される苦しい展開となったが、0-1の前半36分にFW鄭大世(36)、1-2の後半24分にはMF本間至恩(20)がともにセットプレーから得点し、同点に持ち込んだ。終盤は波状攻撃を受けたが、後半から出場のGK藤田和輝(19)の好セーブや、相手のシュートミスで命拾い。ただ、ここまで未勝利だった“難敵”相手にまたしても勝利することはできず、このカード通算戦績は7分け5敗となった。

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鄭大世がゴール前で体の強さを発揮した。0-1の前半36分、MF高木善朗(27)の左CKに飛び込み、相手GKの頭上から強烈ヘッドをぶち込んだ。「タイミング良くGKの前に飛び込むことを意識していた。狙い通りの得点」と今季5得点目を振り返った。得点以外でもポストプレー、前線からのハードワークで攻守の軸となったが「(自分は)前半だけでシュート4本。もっと(得点を)奪えるチャンスはあった」と勝利に導くゴールを奪えなかったことを悔しがった。

後半開始早々、GK藤田のロングキックをカットされ、左サイドを崩されて失点。相手に勝ち越し点は許したが、同24分、再びセットプレーから本間が今季7得点目を挙げ、何とかドローとした。「2回リードされても、うちの得意のセットプレーから追いつけた。負けなかったことはプラス」と鄭大世。「課題は多いが、うちは可能性も多くあるチーム。次は絶対勝つ」と決意を示した。

次節(4日、アウェー・モンテディオ山形戦)、守備の要・DFマウロ(31)が累積警告で出場停止。この日、前半で負傷交代のGK小島亨介(23)の出場も微妙と不安を抱えながらの試合となる。鄭大世は「ほかの選手がいかに補填できるかが重要となってくるが、うちは(誰が出ても)いい試合ができている」と話す。残り12試合。チームの総合力が試される。【小林忠】