北海道コンサドーレ札幌の大卒新人トリオが東京オリンピック(五輪)出場へ猛アピールする。日本サッカー協会は17日、東京五輪世代のU-23日本代表候補メンバー23人を発表した。札幌からは大学時代から選ばれているMF田中駿汰(23)に加え、MF金子拓郎(23)高嶺朋樹(22)が初選出。プロ1年目からチームの戦力として試合出場を重ねてきた3人は、国内組のみで行われる22日からの千葉市内での合宿で代表入りに向けて評価を高める。

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シーズン最終戦を前に札幌の大卒3人衆にチャンスが訪れた。17日、U-23日本代表候補に田中、金子、高嶺がそろって選出された。19日の浦和戦に向け、練習を重ねている千葉県内で選出後に取材に応じた初選出のMF金子は「五輪まで時間がない中で今回初招集。最初で最後のチャンスだと思って自分の特長をアピールできればなと思います」と力強く語った。

今季プロ1年目の3人はそろって30試合前後に出場するなどすでにチームの戦力として成長。リーグ再開の7月に東京五輪代表を指揮する日本代表の森保一監督(52)から金子とともに新戦力候補の1人に挙げられていた高嶺は「目標として今年1年頑張ってきた」と初選出を喜びつつも「まだまだ能力的には足りない部分が多い」。国内組に限られ、天皇杯出場の川崎FとG大阪からの招集が見送られたことも念頭に、より一層の成長を誓う。

すでにA代表を経験し、前回招集した1月のU-23アジア選手権(タイ)に出場した田中も同じだ。森保監督は「序列が変わることもある」と明言しており「もっとアピールしていかないとその先に選ばれないという危機感は常に持っている」と気を引き締める。

東京五輪代表を目指す3人にとって同時招集で互いの特長を理解していることはプラス材料に働く。そして、合宿を前に抱く気持ちも一緒だ。金子が「最後しっかり勝って良い形で代表の合宿につなげられたら」と言えば、高嶺も「浦和にしっかり勝って代表活動に弾みを付けたい」。最終戦を含め1つ1つの試合で見せる内容が夢舞台につながっていく。【浅水友輝】