前回大会で県勢初の4強入りした帝京長岡(3大会連続8度目)は、履正社(大阪)に2-1で逆転勝ちした。1、2年生を中心のチームは初戦の硬さからかリズムをつかめずにいると、前半16分に先制を許す苦しい展開。だが0-1で折り返した後半7分、MF上野一心の左クロスにDF酒匂駿太(ともに3年)が右足を合わせ同点。さらに同33分に1年生MF、広井蘭人が決勝点を奪い、チーム一丸で勝利をつかみ取った。今日3日、3回戦で神戸弘陵(兵庫)と対戦する。

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まだあどけなさが残るレフティーの広井が試合を決めた。1-1の後半33分、途中出場のMF佐竹宏太の右クロスをFW葛岡考大(ともに3年)がペナルティーエリア内でつぶれる形でスルー。こぼれ球にいち早く反応した広井が、利き足とは逆の右足で決勝点を流し込んだ。「監督からゴール前に入り込むよう指示されていた。利き足ではなかったが、緊張なく押し込めた」。悲願の全国初制覇に向け、チームに勢いをつけるゴールとなった。

4強入りの前回大会から、ごっそりメンバーが入れ替わったチームは先発6人が1、2年生。その中で、U-15日本代表候補の広井は徐々に存在感をあらわし、選手権初ピッチでも実力を示した。中央でボールを受け、細かいパス交換で攻撃を組み立て、前半終了間際には左足でロングスルーパスを送るなど硬さの見えた若いチームがリズムを取り戻すプレーを見せた。

広井のゴールは選手権県大会決勝(2○0新潟明訓)からの連続得点となった。「(ゴールという)結果を残せたことはうれしい」。古沢徹監督(35)も「得点につながるプレーを期待している。いい働きをしてくれた」と1年生MFをたたえた。

激戦区大阪代表の難敵を逆転で退け、初戦突破。広井は「今日は緊張から全然いいプレーができなかったが、3年生が引っ張ってくれた。次は意地でも勝ち進みたい」と、今日3日の3回戦・神戸弘陵戦へ気持ちを切り替えた。