15年度大会以来4度目の優勝を狙う東福岡が、劇的に3回戦へ進出した。2-1で作陽(岡山)に勝利。後半ロスタイム3分に「ヘディング職人」ことDF竹内良(3年)が、ラストワンプレーのFKの流れから頭で決勝ゴールを決めた。

   ◇   ◇   ◇

東福岡が劇的ロスタイム弾で激闘を制した。試合終了の瞬間、決勝ヘッドのDF竹内は、両手でガッツポーズして雄たけびをあげた。1-1で迎えた後半ロスタイム3分のラストワンプレー。FKの流れから、MF岩井がヘディングでつなぎ、それを181センチのDF竹内が「相手より高く飛び、タイミングを取ることに重点を置いている。完璧にできた」と打点の高いヘディングで押し込んだ。

36分には絶体絶命のPKのピンチを阻止。直後の同37分に、交代で呼ばれ「ビックリした」というが、逆に重要な局面で「なんとか結果を出してやろう」と燃えた。練習では100発百中と言い「持っている方だと思う。最後のワンプレーで決められて良かった」と安堵(あんど)した。

父和徳さん(48)は東福岡の主将経験があり“サッカーDNA”を受け継いだ。同校コーチを務めるOBで元プロのDF山形辰徳コーチから間合いの詰め方やクロスのヘディング対応を教わり、身につけたという。竹内の値千金ゴールを、MF上田主将も「職人と言われているヘディングのうまさがある。決めてくれて良かった」と喜んだ。

連戦となる3日の3回戦は、前回大会4強の矢板中央(栃木)が相手だ。だが「こういう展開で勝てて、課題だった一体感が良くなった」と上田主将。個性が強く、いい意味で我が強かったという選手たち。一丸で接戦を勝ちきり、チームは上昇ムードだ。【菊川光一】