帝京長岡が3発快勝で、3大会連続4度目の8強入りを決めた。神戸弘陵(兵庫)を3-1で退けた。2-1の後半16分、主将のMF川上航立(3年)が右CKを頭で合わせてダメ押しした。

初戦2回戦・履正社戦(2○1)に続き先制を許す展開も前半に同点に追いつくと、後半14分、16分と2分間での2得点。主将の一撃で勢いに乗ったチームは5日の準々決勝で5度の優勝を誇る市船橋(千葉)と激突。2大会連続4強入りを狙う。

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チームの心臓、川上がダメ押し点を奪った。2-1と逆転に成功した直後の後半16分、右CKをドンピシャ、ヘッドで合わせた。2大会連続で同じ相手からの得点に「もってるなと思った」と笑顔。その2分前、MF上野一心(3年)の勝ち越し弾では中央からのドリブル突破で起点になった。「後半は少し前に出ていくことを意識した。毎日の練習で繰り返している形が出せた」と振り返った。

前回大会3回戦(5○0)と同じ顔合わせとなった。前日2日の初戦2回戦突破後、「相手(神戸弘陵)はリベンジに燃えていると思う。うちは勘違いせず、チャレンジャー精神で臨む」と話していた。だが初戦に続き、またも序盤で先制点を許す展開。「連戦の疲れでチームは運動量が少なく、ボールも動かせなかった」と川上。それでも前半14分に波状攻撃からFW葛岡孝大(3年)が同点とすると、後半の短い時間での連続得点で相手を突き放した。「内容は良くなかったが勝てたことがすべて」とホッとした表情を見せた。

関西勢との連戦。大阪出身の川上にとっては特別な2試合だった。「地元でもテレビ中継されていた。得点という結果で成長を見せることができたと思う」。双子の姉然(さら)さんは、この日の対戦相手と同じ兵庫に拠点を置くINAC神戸への入団が決まっている。前日にはラインで「頑張って」と激励を受けた。「小さい頃、毎朝6時からボールを蹴り合っていた。自分も目標は一流のプロ。刺激は受ける。早く追いつきたい」。

前回大会4強超えへ、5日の準々決勝の相手は強豪・市船橋に決まった。「目標は優勝。しっかり1日休んで勝利する。チャンスがあれば得点も狙う」と川上は力を込めた。