憧れの舞台を目指すのは選手だけではない。静岡・常葉大サッカー部の野末悠豪(ゆうごう)マネジャー(1年)は将来、プロの審判員を目指している。「目標はプロフェッショナルレフェリー(PR)になること。審判として、Jリーグやワールドカップのピッチに立ちたいと思っています」。

大きな転機は、磐田東高1年時。負傷が続き、現役引退を決めた。当時、1学年上の先輩が審判兼マネジャーとしてチームを支えていた。野末自身にも、浜松市立八幡中時代にチームの勧めで国内4級審判の資格を取得した経緯があり、同じ立場で部活動を続けた。新たな道を進む中、「選手として試合には出られないけど、審判として同じピッチに立てることに魅力を感じました」。PRが大きな目標になった。

高2で3級の資格を取得。現在は、県協会が主催する2級取得に向けたスクールに通いながら、高校県リーグや県社会人1部リーグで主審を務める。「審判の活動を許可してくれるチームに感謝していますし、活動を通じて多くの人が関わって試合が成り立っていると強く感じる。自分も、良い試合をつくる1人になりたいです」。新たな発見も原動力となっている。

PRへの道は4級から始まり、3級、2級、1級の4段階がある。1級取得後も実績が必要。日本サッカー協会とPRとして契約する審判員は、登録28万1125人(昨年4月1日時点)の中で16人だけだ。それでも、野末マネジャーは「道程はすごく厳しいけど、目指していきたい」と目を輝かせる。夢を追い、これからも笛を吹き続ける。【前田和哉】

◆野末悠豪(のずえ・ゆうごう)2001年(平13)9月11日、浜松市生まれ。小1からジュビロSS浜松でサッカーを始める。175センチ、67キロ。家族は両親と姉。血液型B。