J2アルビレックス新潟は6日、J3カマタマーレ讃岐と練習試合(45分×3本)を行い、3-0で勝利した。新加入でJ3初代得点王(14年)の鈴木孝司(31=C大阪)が練習試合3戦で2発と本領発揮。開幕スタメンへ向け、猛アピールを続ける。チームは新エース候補に導かれるように攻守で相手を圧倒。MFロメロ・フランク(33)の得点で先制すると、3本目には2種登録のDF丸山嵩斗(16=U-18)が左CKを頭で決め、突き放した。

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新加入のベテランFWの「らしさ」が出た得点だった。先発出場した鈴木は1-0で迎えた2本目の6分。左サイドをえぐったMF本間至恩(20)のクロスにタイミングよく走り込み、右足ワンタッチでニアサイドをぶち抜いた。「相手DFの下がりが速いので、あえて(自分が)止まり、タイミングを合わせた。いいポジションに入ることができた」。自画自賛のゴールは練習試合3戦で2発目。「監督から一番求められる部分は得点。結果を出せたことはうれしい」とストライカー候補に名乗りを上げた。

この試合、4-5-1の布陣の最前線に入った鈴木はポストプレーでも攻撃の核となった。「相手DFラインを下げること、味方を前向きでプレーさせることを意識した。いい部分が出せた場面も多かった」。一方で「チームとしてコンビプレーやバリエーションを増やし、もっとゴール前の迫力を出したい」と課題もあげる。「センターバックやボランチがボールを持ったら短いパスだけではなく長いパスも要求したい。コミュニケーションがもっと必要」と折り返し地点にきた高知キャンプで総合力を高めていくつもりだ。

J3が発足された14年に町田で19得点をたたき出し、初代得点王を獲得。その後はJ2琉球を経て19年途中にC大阪に移籍。J1の舞台にステップアップを果たしたが、昨季はリーグ戦14試合出場にとどまり無得点に終わった。「試合に絡めているので楽しい。今日はシュート1本に終わったので、もっとコンディションを上げ、貪欲にシュートを狙いたい」。ゴールに飢えるストライカーが前線で欠かせない存在となる。【小林忠】