守護神に1歩1歩近づく。J1ベガルタ仙台GK井岡海都(22=仙台大)は長所の気迫を全面に出した勇気ある飛び出しでゴールを死守し、日本のトップGKを目指す。遠くに飛ばすキック力も魅力で、1本のパスで得点に直結させるべく攻撃陣をサポート。同僚のGKスウォビィク、小畑の壁は高いが、信頼されるプレーを続けて出場機会をつかむ。

前仙台の日本代表GKシュミット・ダニエル(29=ベルギー1部シントトロイデン)らを育てた石野智顕GKコーチ(44)の下で行う練習は刺激的だ。「毎日が充実し、大学時代は自分の知識のみでやっていたので、自分が気づけなかったことや足りなかった部分を毎日指摘してもらっています」。仙台大では自分でメニューを考え練習も、「石野塾」では基礎の動きから1つ1つ見直し「『特に』と言うときりがないぐらい一からのスタートですね」。その道のプロから学べる環境に喜びを感じ、技術向上につなげている。

井岡は特別指定選手を経て今季入団したDF真瀬と市船橋(千葉)の同期で「よくしゃべっています」と心強い存在。「彼は去年からチームに加わっていたので、このチームがどんなチームなのかを教えてくれたり助かっています」。厳しい練習が続くが「何か1日1つでもできるようになってというのを繰り返し、焦りや悔しさに一喜一憂せずやっている。向上心を持ってやるだけです」。仙台が誇るGK塾で、ひたすらスキルを磨く。【山田愛斗】

◆井岡海都(いおか・かいと)1998年(平10)4月27日生まれ、千葉市出身。市船橋、仙台大を経て新加入。小学2年からサッカーを始めた。当時から試合でGK経験があるが、本格的に転向したのは中学のとき。憧れの選手は高校の2学年先輩でJ2ギラヴァンツ北九州GK志村洸。186センチ、79キロ。背番号21。