寒空の埼玉スタジアム。吹き荒れる風の影響もあり、体感気温は10度以下だろうか。多くのファン、サポーターがダウンジャケットなどの厚着で観戦する中、横浜FCのMF中村俊輔は半袖で先発のピッチに立った。6月で43歳の元日本代表。20歳のMF安永とボランチを組み、浦和戦に臨んだ。父と子ほど、離れた年齢差。そんなことなど、感じさせず、縦横無尽に走り回った。

攻撃の組み立ての際には、3バックの中央の位置まで下がり、パスの供給源となった。FK、CKでは衰えを知らない左足から、鋭いクロスを入れた。得点にこそ絡めず、前半終了で交代したが、攻撃にアクセントを加え続けた。

もう1人のベテランも横浜FCを支えている。キングだ。FWカズが、今季リーグ戦初のベンチ入りを果たした。ベンチスタートとなったが、高いプロ意識は変わらない。他のサブの選手が戦況を見つめる中、1人じっくりストレッチやアップを続ける姿がそこにはあった。2月26日に54歳を迎えても「飢えている」と探求心は尽きない。後半48分から出場し、自身が持つJ1最年長出場記録を更新。日本サッカー界のレジェンドたちは、いくつになっても元気だ。【栗田尚樹】