福島ユナイテッドFCが試合終了間際から追いつき、価値ある引き分けに持ち込んだ。アウェーでのカターレ富山戦。後半のロスタイム4分から、土壇場の同点劇を演じた。

1-2の同49分、MF池高暢希(21)の右CKからのクロスボールにDF鎌田翔雅(31)が、頭で合わせて値千金の同点ゴール。後半から途中出場した2人が、最後の1プレーで執念を見せた。鎌田翔は「ゴールのイメージは、しっかりできていた。(池高の)ボールが良かった」と10歳年下の後輩に感謝した。

ほしかった勝ち点3は、つかめなかった。でも、今後につながる勝ち点1を手にした。試合後の時崎悠監督(41)は開口一番、「選手の頑張りで、最後のプレーで勝ち点1を取れたことは、本当にポジティブに考えたい」。シュート数は富山の16本に対し、わずか4本。終始劣勢の展開だったが、雨中のピッチ上で、最後まで戦い抜いた選手をたたえた。

課題も残った。前半22分、大卒3年目のMF吉永大志(24)が先制ゴールを決めたが、前節の鹿児島ユナイテッドFC戦に続いて、この試合も後半に2失点し逆転を許した。「先制して(前半を)折り返せたのは良かった。でも、後半の立ち上がりを意識していたのに、失点してしまった。まだ足りない部分がある」と、指揮官は収穫と反省を口にした。

劇的な同点で、雰囲気は上げ潮ムードだ。次節はホームで熊本を迎え撃つ。鎌田翔は「負けて帰るわけにはいかなかった。前節と今節のミスをしっかり改善して、次につなげる」。ここまで、開幕4試合を終えて1勝2分け1敗。勝ち点5で15チーム中9位のスタートも、シーズンは始まったばかり。一戦必勝を貫き、クラブの目標「J2昇格」を果たす。【佐藤究】