ブラウブリッツ秋田とモンテディオ山形のJリーグ初対決は0-0で引き分けた。ともに本拠地に駅があるJR奥羽本線にひっかけた「奥羽本戦」と銘打ち、J2では08年(平20)第31節の仙台-山形戦以来の東北ダービー。来季2試合(ホームアンドアウェー)のホーム用ユニホームの優先着用をかけた第1戦は両者決め手を欠き、スコアレスドローに終わった。

前半は今季J2に初昇格したホーム秋田がJ1在籍実績もある山形を圧倒した。同30分までボールを支配。CK、FKともに4本ずつの得意のセットプレーでゴールを脅かし、相手シュートを0本に抑えた。2戦連続の勝ち点1にとどまったが、今季ホーム3戦負けなしを継続させた。今季5度目の無失点にボランチ輪笠祐士(25)は「守備の堅さはチームの武器。守るというよりボールを奪うイメージで点を取るためにやっている」と攻撃的守備を強調した。

対する山形は後半に一変、最終ラインを高く押し上げ、シュート6本を絡めた波状攻撃を仕掛けた。だが3戦連続の無得点で2分けを含む5戦連続白星なしに終わった。7戦ぶり先発のMF藤田息吹(30)は「(後半は)自分たちの試合で勝ち切らなければならなかった。もっとゴール前のクオリティーを上げていかなければならない」と課題を口にした。

来季のホームユニホーム着用をかけた戦いは10月10日、山形のホーム・NDソフトスタジアム山形で行われる「奥羽本戦・第2戦」に持ち越された。キャッチフレーズは「東北の日本海側の最強を決める戦い」。両クラブのホームユニホームは、ともに青を基調にする。「日本海の青」は譲れない。【佐々木雄高】

◆JR奥羽本線(おううほんせん)JR東日本などが所有して管理運営する。福島駅を基点に山形、秋田経由で終点の青森駅に至る路線距離484・5キロの鉄道路線(幹線)。一部区間ではミニ新幹線として東北新幹線や秋田新幹線との直通運転が行われている。