6年連続6度目の本戦出場を狙う新潟医療福祉大は、JAPANサッカーカレッジに3-2で逆転勝ちした。途中出場のFW有田朱里(4年=千葉・市船橋)が同点、決勝弾の2得点を挙げ、チームを決勝に導いた。もう1試合は新潟医療福祉大FCが3-0で新潟経営大を破った。同校対決となった決勝は5月9日に行われ、県代表が決まる。

    ◇    ◇    ◇

新潟医療福祉大が2点ビハインドをひっくり返し、6年連続で決勝へ駒を進めた。ヒーローは後半から出場の有田だった。1-2で迎えた後半12分、DF森田慎吾(2年)の右クロスを合わせ、同点ゴールを決める。さらに同43分。右サイドを突破したオナイウ情滋(3年)からのラストパスをファーサイドから突っ込み、勝ち越しゴールを奪った。2得点はともにヘディングゴール。「特長が出た形。狙い通りです」。長身選手を並べた相手DFラインの間を、163センチのスピードスターが切り裂いた。

チームは序盤、堅守速攻の相手に出ばなをくじかれて連続失点し、0-2。1点を返し、前半を折り返した。ベンチスタートだった有田は「悪い流れではなかったし、自分が出たら流れを変えられると思っていた」。その言葉通り、後半開始からピッチに立つと自らの能力をフルに発揮する。スピードを生かした鋭い突破と、前線からの激しい守備でチームを活性化させた。佐熊裕和監督(57)は「先発でも途中からでもフィットする選手。相手DFが苦手とするプレーに有田の特長がはまった。期待通り」とジョーカー起用となった有田に賛辞を惜しまなかった。

有田は前日17日に行われたJ2の新潟-金沢(1○0)をテレビ観戦。途中出場から決勝点を挙げた高校-大学の2学年先輩、FW矢村健(23)から刺激を受けた。「すごい活躍だった。インスタでメッセージを送ると『ありがとう』と返事が来た」と明かした。「健君には及ばないが、同じように途中出場で結果を残せた。得点数では勝てた」と笑顔を見せ、「市船橋でチームメートだった健君、高(宇洋)君が(J2新潟で)活躍している姿から力をもらっている」と続けた。決勝に向けては「目標はプロ入り。全国で活躍しなければアピールにつながらないので、絶対に勝って天皇杯に出たい」と闘志を見せた。【小林忠】

◆第101回天皇杯全日本選手権 5月22日に開幕し、22、23日に1回戦が行われる。新潟県代表は22日の1回戦で長野Uで長野県代表と対戦する。J2新潟は2回戦から登場。6月9日にデンカSでJ2金沢と対戦する。4回戦までの組み合わせが決まっており、4回戦終了後に準々決勝の組み合わせを決める。