J2ヴァンフォーレ甲府の佐久間悟社長(57)とDF小柳達司(31)が30日、オンラインで「ヴァンフォーレSDGs宣言」を行い、クラブとしてSDGs(持続可能な開発目標)の活動を積極的に行い、地域や社会に貢献していくことを発表した。JクラブがSDGsの活動を宣言をするのは初めて。

甲府は04年から「小瀬エコスタジアムプロジェクト」として、紙コップの使用をやめ、返却所で100円返金されるデポジット方式によるリユースカップを使用し、ごみや二酸化炭素の削減を続けてきた。教育面でも、選手が地域の子供たちの食育や、学校を訪問し仕事の話を行うなど、SDGsの項目に当てはまる活動を行ってきた。

佐久間社長は「先駆けてやってきた活動。ここはSDGs宣言をさせていただいて、プロサッカークラブが持つ認知度、発信力を生かし、地域のハブになって活動に取り組みたい。この取り組みにご興味いただいている企業、団体、組織、個人にも力を借りながら山梨から、世界に広げていけたら」と抱負を述べた。

今後は「環境」「教育」「健康」「国際交流」を4本柱に掲げ活動を広げていく。「教育」では、アカデミーの中学生を対象に行ってきた「インパクトプログラム」を強化。理系の分野の講師を招き、オンラインの講義を通じ、子供たちに理系の知識に興味を持ってもらえるプログラムを計画中で、今後はアカデミー以外の子供たちにも門戸を広げていくという。

クラブでは既に「SDGs推進部」を立ち上げている。かねてSDGsに興味を持ち、自発的に勉強を続けてきたDF小柳が同推進部の部長に就任した。選手も活動に協力していく。現在、練習ではコロナ禍の感染防止対策で、各選手やスタッフがペットボトルで給水している。小柳は「毎日100本近いペットボトルが出ている。これを集めて何かに代わる物が出来たら」とリサイクルでの環境活動を考えている。クラブ、選手が一体となり活動していくことで、甲府からSDGsを広げていく考えだ。