青森山田が大宮U18に手堅く「ウノゼロ(1-0)」勝ちし、チーム新記録の開幕5連勝を打ち立てた。2日前の4月30日に18歳の誕生日を迎えた主将のMF松木玖生(くりゅう、3年)が、後半4分、PKで自らを祝う決勝ゴール。同じく全勝の清水ユースを得失点差で上回り、首位の座は明け渡さなかった。

三度目の正直弾だ。味方が獲得したPK。迷うことなくボールを受け取ると、両手で顔に近づけ、祈った。ペナルティーマークにセット。20秒ほどの間をつくって集中力を高める。短い助走から左足でチップキック。「(PKを)2本外していたので『絶対に決めてやる』という強い気持ちだった」。浮き上がったボールにGKは反応できず、ゴール中央に吸い込まれた。

開幕戦の浦和ユース戦、第3節の横浜FC戦でいずれもPKを失敗した。試合の約1週間前に黒田剛監督(50)とコースを相談した上で中央を選択。チップキックも「監督に『ちょっとやりたいんですけど』と伝えて、了承してくれました」。見事に成功させる強心臓ぶりを見せつけた。

18歳を迎え「(パリ・サンジェルマンFW)エムバペ選手もワールドカップ(W杯)に18歳で出てたし、そう考えると世界との差はまだまだ。より一層活躍できるように、まずは自チームで結果を残したい」。世界を見据えつつ目の前の試合に全力をそそぐ。

黒田監督は「エスパルスが(1日に)5連勝して追う形で『何としても勝とう。勝利以外の結果はいらない』ぐらい勝ちにこだわった試合だった」。次戦は16日に流通経大柏(千葉)戦。すでに1、2位対決が確定している23日の清水ユースとの天王山に向けて無敗で乗り切る。【山田愛斗】