ヴィッセル神戸は11日、元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(37)と23年末まで2年間の契約延長で合意したと発表した。従来の契約は今季末まで残っていた。

この日、37歳の誕生日だった同選手は、都内での会見に出席し「(来日後から)仲間、ファンが愛情とリスペクトをもって迎え入れてくれた。現役生活をここで最後まで続けたい。選手としてだけでなく、常に関わり続けたい」と神戸で引退する意思を示し、引退後もクラブの発展に貢献したい思いを強調した。

バルセロナから18年夏に加入し、丸3年。W杯優勝や4度の欧州CL制覇を遂げた英雄なのに、Jリーグで手を抜かない。19年度天皇杯では悲願のクラブ初タイトルへと導いた。同選手を「マエストロ(スペイン語で巨匠)」と称した三木谷浩史会長(56)は「神戸の地位が上がり、Jリーグに対する世界的な認知も上がった」と胸を張った。

今回の契約更新でイニエスタはおとこ気も見せたという。推定年俸はJリーグ史上最高の32億5000万円だったが、三木谷会長は「(コロナ禍で)経済的にも大変厳しい状況にある中、かなり歩み寄りをしていただいた」と説明。財政難のクラブのために約4割の大減俸、推定20億円で更改したとみられる。

就任3年目の主将は「この場所が第2の故郷。(コロナ禍だが)ともに困難を乗り越えていきたい」とメッセージを送り、今後へは「3年前の熱い思いと同じ気持ちで挑み続けたい」と、あくまでクラブ最大の目標であるACL制覇を掲げた。【横田和幸】

◆アンドレス・イニエスタ 1984年5月11日、スペイン生まれ。12歳からバルセロナの下部組織に入り、02年プロデビュー。W杯は06年から4大会連続出場。10年南アフリカ大会ではオランダとの決勝で決勝ゴールを挙げ、母国を初優勝に。国際Aマッチ通算131試合13得点。171センチ、68キロ。家族はアンナ夫人と2男2女