開志学園JSCが日本文理を1-0で破り、14年以来の県王者に輝き、6大会ぶり3度目の全国高校総体(インターハイ)出場を決めた。前半31分、左クロスからMF佐々木楽登(がくと=3年)がヘディングで決勝点を挙げた。今大会5試合で計1失点の守備陣が高さのある相手の攻撃を最後まで防ぎ、接戦を制した。

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シャドーストライカーが弾丸ヘッドでネットを揺らした。前半31分。トップ下で先発の佐々木は攻め上がったDF長谷川基尊(3年)が左サイドでボールをキープした瞬間、DFの視線から消えるような動きで背後のスペースを突くと、正確なクロスにフリーで合わせた。「相手がボールウオッチャーになっているのが分かった。『ここだ』と思った」。唯一といっていい得点機を確実に仕留めた背番号8が、チームを3度目の優勝に導いた。

磨き上げた守りが6大会ぶりインターハイ出場をたぐり寄せた。準決勝までの4試合を1失点。この日も全員がハードワークを惜しまず、ここまで4戦24得点の日本文理に得点を許さない。主将のDF東界杜(3年)とGK中島巧翔(3年)を中心に守り切った。東は「(準決勝で)帝京長岡を破ったことで自信が深まっていた。日本文理には県リーグ(1部)で1-3で敗れていたが全員で連係し、冷静に対処できた」と胸を張った。

今大会3回戦から出場の開志学園JSCは8日間で5試合の厳しい日程を戦った。宮本文博監督(53)は選手をローテーション起用し「誰が出場しても質が落ちない」というタフなチームを作り上げ、勝ち抜いた。福井県開催のインターハイ(8月)も過密日程となる。宮本監督は「過去2回は1回戦負け。県を代表して出場するという自覚を胸に全員で上位進出を目指します」。【小林忠】