名古屋グランパスDF藤井陽也(はるや、20)が、レギュラー獲得へ最高のアピールをした。9日、三菱自動車水島FCとの天皇杯2回戦(岐阜・長良川)で先制ゴールを決めた。結果的に5-0。快勝に導いたゴールを「バタバタしたのは反省しないといけないが、自分のゴールで落ち着けた。全体として0で終われたのはよかった」と振り返った。

日本代表クラスの好選手が居並ぶチームの中でポジションを争う。187センチの長身でU-16、U-17と各世代の日本代表に選出された将来を期待されるセンターバックだが、今季リーグ戦で出場はまだない。体重79キロと細身で自身の課題を理解し、「フィジカルの強化に努めてきた。より高みを目指していきたい」と話す。

リーグ戦で出番がない若手にとって、カップ戦は「プレゼン」の場となる。フィッカデンティ監督は試合後、「(若手の活躍を)非常にポジティブな要素。彼らのために幸せな気分です」と満足そうに語った。

チームは主将のDF丸山祐市(31)が右膝の大けがで、今季絶望の危急事態。藤井にとってはチャンスでもある。「若い選手が活躍すればチームの中でも刺激になる。守備はもちろんだが、得点という部分でもチームを助けたい」。その存在を大きく示した。【実藤健一】