国内初の女子サッカーのプロリーグ「WEリーグ」が、12日に開幕する。11年に女子W杯優勝を経験した、元日本代表DF岩清水梓(34=日テレ東京V)は、昨年3月に第1子長男を出産して、母として新たなリーグへの挑戦を決めた。

妊娠が分かったときは、サッカーを辞めることも考えたという。現役続行の決断を後押ししたのは、「息子を抱いて選手入場したい」という大きな目標だった。チーム最年長で、先発を勝ち取ることの難しさは理解している。2月に全体練習合流、5月には実戦復帰と順調にステップを踏み、今夏の合宿には息子とともに参加するなど周囲の理解とサポートも得て、ついに開幕の時を迎えた。

12日の三菱重工浦和戦(味フィ西)はチケット完売。岩清水は息子の誕生日である3月3日にちなんで、背番号33を背負って戦う。「出産をへて、純粋にサッカーへの気持ちが再燃した。みんなが応援してくれるからこそ、お母さんとしてやる意味があると思う」と話し、「いつスタメンで出られるか分からないけど、その日までコツコツ頑張ることだと思う。その日を迎えたときには、一緒に入場できたら」と夢を語った。【杉山理紗】