アルビレックス新潟レディース(L)はAC長野パルセイロ・Lに1-3で敗れ、ホームで迎えたWEリーグ開幕戦を白星で飾れなかった。前半9分に先制された後、同14分にDF北川ひかる(24)のチーム初得点で追いつくが、その1分後に勝ち越された。選手が相次いで新型コロナ陽性判定を受けての約2週間の活動停止から5日に活動再開したばかり。苦難を乗り越えての新リーグスタートは不完全燃焼に終わった。次節20日、アウェー大宮戦で新リーグ1勝目を取りにいく。

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試合終了の笛が鳴ると、新潟Lの選手は膝に手を突き、ピッチに視線を落とした。ホームで迎えたWEリーグ開幕戦。何よりも欲しかった白星を逃した悔しさがにじんだ。

完敗だった。0-1の前半14分。左コーナーキックに、DF北川ひかるがピンポイントで左足で合わせて同点ゴール。ここでチーム全体のギアが上がるはずだった。だが、そのわずか1分後、リスタートから攻め込まれると勝ち越し点を許す。前半、長野に2本のシュートで2点を奪われた。1-2で折り返した後半17分。ダメ押しの3点目を決められ、突き放された。

まさかの活動停止が新リーグ開幕に向かうチームのリズムを崩した。8月25日までに選手4人が新型コロナ陽性判定を受け、約2週間活動停止。今月5日に活動を再開したばかりだった。急ピッチでの仕上げとなった村松大介監督(44)は「2週間の活動停止は言い訳にはならないが、1週間で選手たちをいい状態に上げられなかった」と言った。わずか1週間では負荷をかけたトレーニングもできなかった。

チーム初得点を決めた北川は「絶対に決めると言う意思でニアに入った」とゴールシーンを振り返った。一方で「この試合に懸けていたので、サポーターに申し訳ない。悔しい気持ちしかない」と声を詰まらせ、涙ながらに話した。

次節20日はアウェー大宮戦。キャプテン上尾野辺めぐみ(35)は「まだまだリーグは続くので次戦は何としても勝ち点3を取って帰ってきたい」と新リーグ初白星奪取を誓った。【飯嶋聡美】