清水エスパルスが長いトンネルを抜けた。ベガルタ仙台を2-1で下して9試合ぶりの勝利をつかんだ。

FWチアゴ・サンタナ(28)の今季10点目で先制。FW藤本憲明(32)が、移籍後初ゴールを決めて追加点を奪った。残留を争うライバルとの直接対決を制した。

勝利への執念を見せた。前半19分、左CKをDF井林章(31)が頭で触ってコースを変えると、最後はサンタナが押し込んだ。1度はオフサイドと判定されたが、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)検証の末にゴールが認められた。ブラジル人ストライカーの3戦連続ゴールで6試合ぶりに先制した。

2トップを組む相棒の得点に藤本も続いた。後半7分、持ち味の前線からの猛烈なプレスで相手のミスを誘発。GKのトラップミスを見逃さず、最後は体を投げ出してシュートを放った。相手の反撃を1点に抑えて逃げ切り、スタジアムは大きな拍手に包まれた。仙台との今季公式戦は4戦4勝となった。

約2カ月半ぶりの勝利で15位に浮上した。だが、残留争いに身を置く状況は変わらない。次節は24日、ホームで神戸と対戦(アイスタ、午後7時)する。勢いを保つことができるか、真価が問われる一戦となる。【古地真隆】

▽ロティーナ監督 ナーバスな状況だったが、大きな勝ち点3になった。今後もギリギリの厳しい勝負が待っている。

▽FW藤本 (移籍後初ゴールに)素直にうれしい。チアゴとの連係のバリエーションが増えてくれば、攻撃の質はさらに高まる。

▽MF西沢 1点目は狙い通りのCKから生まれた。満足することなく、この勝利を次につなげていきたい。