川崎フロンターレはFC東京との“多摩川クラシコ”を制して、今季初のリーグ戦6連勝を達成した。前半ロスタイムにDF登里のクロスをFWレアンドロ・ダミアンが頭で合わせ、その1点を守り切った。

ルヴァン杯とACL敗退後、鬼木達監督(47)が「勝負の5連戦」と銘打った9月中旬からの5試合を、5連勝で終えた。試合後の鬼木監督の一問一答は以下の通り。

-試合を振り返って

鬼木監督 厳しい日程だったが、気持ちのあるプレーをしてくれたことが一番うれしい。苦しい中でサポーターの後押しがあった。選手とサポーター、みんなで勝ち取った勝利だと思う。前半から厳しい展開だったが、1点を取ったことが大きく流れを変えた。最後(押し込まれて)ああいう形になると思っていた。我慢強く5連戦を戦ってくれた。いいゲームだった。

-今季15回目の完封、守備陣の評価は

鬼木監督 カウンターが強烈なチームなので、守備の選手は大変だったと思う。みんなよく体を張って守ってくれた。あれだけ走ってくる相手を、連戦の中でカバーしてくれた。前線の選手も、力のある限りいいプレッシャーをかけてくれた。チーム全員で戦った勝利、守備の頑張りだった。

-後半途中から谷口を入れて、2ボランチに変えた狙いは

鬼木監督 ショウゴ(谷口)を入れる前から押し込まれる時間もあった。ある意味割り切り、この連戦の中ではどこかで足が止まると予測は付いた。健人(ボランチで先発した橘田)が広範囲をカバーしていたので、そこが効かなくなると苦しくなる。ショウゴを入れてサポートした。全員が守備に回るときは回るという形で、悠(小林)もストライカーでありながら、役割を分かってくれていた。それぞれがいいプレーをしてくれた。

-「勝負の5連戦」を5連勝で終えた手応えは

鬼木監督 スポーツは気持ちだとずっと思っているが、それをすごく感じさせてくれた。タフになっていった。苦しみながらも選手の成長が見られたことが喜ばしいし、勝ちに執着して、結果に残せた。選手の力強さを感じている。本当に頼もしかった。

-監督も言っていた「覚悟」を示してくれたか

鬼木監督 普段経験しないような(韓国でのACLから帰国後の)隔離や連戦、いろんなことがあったけど、常々相手を圧倒しようと話している。コンディションなどでそれができなくても、勝ち続ける。最後のところのこだわりは、それぞれが覚悟を持ってゲームに入らないとできないこと。最後はチームのために、という思いが全員あったので、こういう形になったと思う。自分も勉強になった2週間だった。

-3日前の神戸戦から、ほぼメンバーを変えなかった理由は

鬼木監督 連戦の選手が多かったけど、パワーがまだ少しあるかなということと、最後の展開になったときに、全員が意思疎通をとれてパワーを出せる人。前半は連戦組に頑張ってもらって、後半は勝負となれば元気な選手を送り込めるし、守らなきゃ、となったときもああいう選手、後ろにショウゴ、悠、ヤマ(山村)など、経験や気持ちがグラウンドに乗り移るような選手がいると、自分としてもどんなときでも使いやすいので。知念も前線で頑張ってくれたし、一番戦わないといけないときに戦える選手が後ろに控えていたというのが狙いでもあったし、選手も守り切るとなったときに、頼もしさを感じてくれたと思う。