子どもたちのあこがれの職業の1つでもあるプロサッカー選手。試合ではピッチで迫力あるプレー見せ、サポーターの心をつかむ。そんな一流選手たちは、どんな1日を過ごしているの? 練習以外の時間はなにをしているの? そんな素朴な疑問を、J1のFC東京の選手たちへぶつけた。「Jリーガーの1日」と題して、選手たちの日常を追った。第7回はDF蓮川壮大(23)。

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選手が最高のパフォーマンスを出すために必要なのは練習での追い込みだけではない。練習や試合のピッチに立ったときどれだけの力を発揮できるか、そのためにリカバリーが重要になる。練習の時間と同じくらい、回復の時間を重視する選手も多い。

明大から加入したルーキーDF蓮川壮大(23)は、練習後の時間帯で3~4時間の睡眠を意識的にとるようにしている。明大在籍時の昨年から、より重視するようになったという。コロナ禍で試合日程も過密になり「睡眠がなかった翌朝は疲労も感じた」と体感を話す。「けが予防や、選手人生をのばすために必要なもの。他にやりたいこともあるけど、そこはプロとして責任がある」。昼寝はその日の気分ではなく、ピッチで力を発揮するためのルーティンだ。

コロナ禍で、気軽に友人やチームメートと食事に出かけることもできない。それでも「サッカーに集中できるのはプラス」と、クラブハウスに残って追加でトレーニングを行うことも増えた。「自分と向き合うためのいい期間」と、制限されるストレスよりも新しく取り組めることに目を向けている。

主戦場であるセンターバックは大黒柱のDF森重真人、U-24日本代表候補のDF渡辺剛ら層が厚い。簡単には試合に出られないが、承知の上で入団した。ともに過ごせるクラブハウスでの時間で、積極的にアドバイスを求めているという。「試合勘や高い基準も感じられている。成長のためには(入団は)間違いなかった」と、前向きな日々を送っている。

蓮川は言う。「一般企業での仕事より、自由に使える時間はかなり多くある。それを生かすも殺すも自分次第だと思う」。睡眠もあくまで、サッカーのために注ぐ時間の一部。選手の昼寝は「休憩」ではなく「休養」なのだ。【岡崎悠利】

◆蓮川壮大(はすかわ・そうだい)1998年(平10)6月27日、東京都足立区出身。主なポジションはCB。東京の下部組織出身で、高校卒業後は明大に進学。19年には大学選手権優勝など実績を残し、今季から東京に加入。愛称はそーでぃー。好きな食べ物はさくらんぼ。好きな海外選手はセルヒオラモス。182センチ、80キロ。