子どもたちのあこがれの職業の1つでもあるプロサッカー選手。試合ではピッチで迫力あるプレー見せ、サポーターの心をつかむ。そんな一流選手たちは、どんな1日を過ごしているの? 練習以外の時間はなにをしているの? そんな素朴な疑問を、J1のFC東京の選手たちへぶつけた。「Jリーガーの1日」と題して、選手たちの日常を追った。第22回はDF小川諒也(24)。

   ◇   ◇   ◇

DF小川は、コロナ禍になってから始めた取り組みが2つある。1つは英会話。現在は週に2、3回、オンラインで習っている。「自分1人の時間が増えたので、そこでなにかしたいなと思って」。今年3月には日本代表として、国際親善試合の韓国戦(日産ス)で国際Aマッチデビュー。W杯予選も経験した。「海外クラブの選手が多く、刺激を受けたし、自分もいろんな世界に視野を広げたいと思った。サッカー以外でも価値観が広がった」と、英語に触れるようになったきっかけを語る。

2つ目はビジョントレーニングと呼ばれる、視覚機能を高めるためのもの。壁にランダムに映し出される1から50までの数字を目で追ったり、一瞬だけ映される数字をいくつか見た後に、登場しなかった数字を選択肢から選んだり。めまぐるしく変化する光景を素早く正確に把握する能力は、サッカーにおける状況判断にも通じる部分があると考えて始めた。「ピッチのどこに相手が何人いて、味方が何人いるのかとか。トレーニングでの計測タイムも速くなってきている」と、これからサッカーに応用していく。

もともとはアクティブ派で、家で1人で過ごすことは少なかった。現在もまだ、気軽に人と会う、食事を楽しむという日常までには戻っていない。部屋にキーボードを置き、気分転換のために弾くことも。小学生からピアノを習っていたから、今でも楽譜を読むなどはお手のものだ。「小さい頃はタキシードを着て発表会とかもありました」と、懐かしそうに笑った。「気が詰まったり、ストレスにならないように」と、うまくオンとオフを切り替えながら、コロナ禍のプロ生活を充実させている。【岡崎悠利】

◆小川諒也(おがわ・りょうや)1996年(平8)11月24日、東京都練馬区出身。ポジションはSB。流通経大柏高時代には14年度高校選手権で4強、優秀選手。Jの複数クラブによる争奪戦の末、15年に東京に加入。16年3月のアジア・チャンピオンズリーグ・ビンズオン戦で公式戦デビュー。19年からレギュラーに定着、5月の札幌戦でJ1初ゴール。183センチ、78キロ。