鹿島アントラーズは川崎フロンターレに完敗し、今季の無冠が決定した。

クラブ創設30周年の節目の年で「3冠」を掲げて臨んだシーズン。最後のタイトルの天皇杯に向け選手、スタッフが強い思いを持って臨んだが、立ち上がりから川崎Fのパスワークに圧力をかけられず、後ろ向きになったところを、質の高い攻撃で仕留められた。今季、リーグ戦で2敗をしている相手に、リベンジできず、Jリーグ発足後、鹿島としては最長となる5年連続で国内タイトルを逃すことになった。相馬直樹監督(50)の一問一答は以下の通り。

-総括

相馬監督 まずは、たくさん鹿島から我々のサポートに来ていただいた。本当に集まってくださった皆さんに感謝したいと思います。残念ながら、勝利をつかむことは出来ませんでした。がっかりさせて、悔しい思いをすることになってしまいました。申し訳なく思っています。我々にとって、天皇杯は今年で最後のタイトルだったので、今日も、今年は川崎さんに2つ負けていることも含めて、勝つと準備してきましたが、そういった形になりませんでした。勝つということを強調して準備してきた部分がある。多少、その部分が、足を前に出せないような状況にしてしまったかもしれません。リードされてから、おしりに火が付いてという状況になった形だったと思います。本来であれば、スタートから、我々が仕返しにいくゲームになりますので、それこそ、我々がビハインドを背負った心持ちでスタートしなくてはいけなかったが、そうできなかった。結果的に、川崎さんにそういったところを突かれて押し込まれて失点して。後半、もう1度という中だったが、早い時間に取られたところで少し、士気が落ちてしまった部分があったのかなあと。最後まであきらめずに闘ってくれた選手には感謝したい。結果として、今年無冠になってしまったこと。大事なゲームで前に出せなかった僕の力不足を感じている。残りリーグ戦5試合になりましたが、そこに向けて、きちんと目の前のものに向き合って戦っていけるようにしたいと思います。

-ゲームプランでどこがうまくいかなかったか

相馬監督 我々がもう少し、直近のFC東京さんとのゲームではないが、前に重心を置いてスタートしたかった。ただ、少し、まずうまくそこが入れなかった部分がありますし。守備の部分でも思った以上にブロックが下がってしまった。そういった中で、奪い返され、自陣から出られない時間が少し長くなってしまった。我慢しきれればと思っていたが、リスタートから先に点を取られた。我々が立ち上がり、前に出ないといけないところ。ただ、勝ちへの意識を、大事なゲームという意識を持ってもらう中で、正直、ボールを受ける、自分たちが主体的にボールを運んでいく、そういった部分がちょっと、前半、特に立ち上がりは少なかった。それで相手に主導権を渡したと思っています。

-重くなった要因は

相馬監督 1つにはボールを奪ってから、速く前にポジションを取って速くボールを前に運ぶことを意識してもらっていたが、なかなか、ボールを受ける準備が非常に遅かった。その中でボールを結局下げる、下げて実際は自分たちが間延びした状況で蹴るという選択になり、そこを回収されて攻められ、守備の時間が続く形になってしまった。

-現在王者との力の差をどこに感じたか

相馬監督 いろんな面で。パスの精度もそうですし、もちろん、鬼木監督がつくっているサッカー、浸透度も含めていろんな意味で高いものがあった。そういったものをひとつ。押し込まれて我慢する時間が必要だったが我慢しきれず。そういう形にならないようにしたいという我々のゲームプランだが、その形に持っていかれてしまった。大事なゲームでそういうゲームにもってこれるのも、今、トップを走るチームなのかなと思います。