湘南ベルマーレが、23日に23歳で死去したオリベイラさんの思いも背負い、J1残留を決める。

山口智監督(43)が25日、徳島ヴォルティス戦(27日)を前にオンライン取材に応じた。突然の仲間の死は、チームに大きな衝撃を与えた。山口監督も「正直、いまだに信じられない。受け入れられない自分がいるのは間違いない。衝撃ははかりしれないし。日常を普通に送っている状態ではないところはチームにはある」と現状を明かした。

オリベイラさんは、リーグ戦には出場機会には恵まれていなかったが、ともに練習に励んできた。「前向きな選手で、日本で成功したい思いは強く持っていた」と振り返る。明るい性格でチームを盛り上げていた存在でもあった。

ショックは大きいが、それでも試合はやってくる。指揮官は「簡単には切り替えられない。気持ちが落ちることはある」と、選手の気持ちに理解を示した上で「時間は待ってくれない、選手には、彼の思いも背負ってやっていこうという話をして取り組んでくれている。試合に向けてどうフォーカスするか」と話した。選手全員での見送りはかなわなかったが、山口監督を含め一部のスタッフとオリベイラさんを見送ったという。

勝てば残留が決まる、ホーム最終戦の徳島戦。DF岡本拓也(29)は「難しい状況ではありますし。気持ちの整理もつかないところもありますけど。みんなピッチに立ったら集中して練習を行っていますし。そこは本当にプロだなとあらためて思っています」と必死に前を向く。同時に今、健康でサッカーができる幸せをかみしめており「一瞬一瞬を大事に生きなければ」と自らに言い聞かせた。オリベイラさんの思いを背負い、全員で残留をつかみにいく。【岩田千代巳】