高校年代最高峰への道が、あと1歩のところで閉ざされた。尚志(福島・東北1位)がJFAアカデミー福島(静岡・東海2位)に0-0からのPK戦で敗戦。19年以来となる3年ぶり来季プレミアリーグ昇格を逃した。チームは全国高校サッカー選手権(28日開幕・東京)に出場。悔しさを糧に、過去最高成績の4強超えとなる「全国制覇」を目指す。

尚志の選手たちがピッチに崩れ落ち、悔し涙を流した。0-0で突入したPK戦。4人目のMF新谷一真(3年)の放ったボールはゴールポスト右へと直撃。JFAアカデミー福島は、5人全員が成功させて歓喜の瞬間を迎えた。仲村浩二監督(49)は悔しい表情を浮かべながらも、最後まで戦い抜いた選手らを励まし、ねぎらった。

「終わってしまったことは仕方ないです。選手たちは100%の力を出して、精いっぱいやってくれたと思います。負けたのは監督の力の差かな」

粘り強い守備でゴールを割らせなかったが、決定力を欠きゴールを割ることもできなかった。前半3分、背番号10をつけるMF松尾春希(3年)が、幸先よく右足を振り抜いたが先制点には結びつかない。0-0の均衡が破れないまま延長開始早々。後半45分に途中出場したFW本田陸(3年)のシュートはクロスバー下へと直撃。ボールの落下地点がゴールラインを越えたかのようにも一瞬見えたが判定はノーゴール。MF松本勇斗主将(3年)は「相手のプレスに押されて、自分たちのつなぐサッカーができなかった」と言葉を振り絞った。

悔しさを晴らす舞台が、まだ残っている。チームは29日、瀬戸内(広島)との全国選手権初戦を迎える。指揮官は言う。「切り替えてやっていくしかないです。悔しさをバネにできるんじゃなくて悔しさをバネにしなきゃいけない」と語気を強めた。過去最高成績の全国4強超えへ-。その先にある頂点を目指し、尚志イレブンに下を向いている暇はない。【佐藤究】