王座奪還に燃える大本命が、後半の6発で力強く発進した。2大会連続準優勝の青森山田が、大社(島根)に6-0で完勝。FW名須川真光(まさき、3年)が先制し、来季J1東京加入内定のMF松木玖生(くりゅう、3年)が3大会連続弾、途中出場のFW小湊絆(つな、2年)の2ゴールなど一気にたたみかけた。

【スコア速報】第100回全国高校サッカー選手権>

青森山田の本領発揮への号砲は、エースストライカー名須川の一撃だった。後半3分、左CKから混戦となり、DF丸山大和(3年)が頭で落とし、倒れ込みながら右足でねじ込んだ。「CKからボールが入り、大和が競って、自分のところにボールが絶対に来るなと思っていて、こぼれ球を泥くさく決められました」と待望の先制点。松木らも続いて大勝し「開幕戦を勝てて良かったです」。2年時の全国選手権は5試合3得点。2大会連続でゴールを奪った。

アシスト役は父斉(ひとし)さんだ。学生時代はバスケットボール部で、サッカー経験はない。それでも、青森山田の試合観戦後に良かった点や課題を分析。独学で調べた情報も加え、LINEで激励してくれるという。「お父さんは自分がうまくなるようにと、ネットとかでいろいろと調べ、長文でアドバイスをしてくれるので、それをちゃんと生かせるようにやっています」。前線から守備で貢献し、泥くさく得点を重ねることで恩返しを果たす。

0-0で折り返したが、焦りはなかった。前半に5本だったシュートは後半に15本を浴びせて一挙6得点。黒田剛監督(51)は「選手たちが予想以上に冷静でした。必ず点を取れるというのを言い聞かせましたし、カウンターやファウル、PKから失点しないようにリスク回避しながら1点、2点を刻んでいくのを実行してくれました」。前回大会の初戦でも前半スコアレスから2-0で勝利。その経験も大きかった。

今季の青森山田は全国高校総体、プレミアリーグEASTと「2冠」を成し遂げた。名須川は「3冠を目標にしています。このチームでできるのはあと4試合ぐらいですし、あと1冠も何としても取って、最後は全員で笑いたいです」。2日の3回戦では阪南大高(大阪)と激突。18年度以来3大会ぶりの頂点へ一戦必勝を貫く。【山田愛斗】

【高校サッカー選手権】第100回全国高校サッカー選手権関連ニュース>

【高校サッカー選手権】組み合わせトーナメント表はコチラ>