岡山学芸館（岡山）は、先月31日の2回戦で高川学園戦に敗れた。MF三並凜（3年）は、試合のピッチに立つことなく大会を終えた。登録メンバーには入ったもののベンチ入りはできず。選手がけがをしたときの担架係として、チームをサポートした。
【スコア速報】第100回全国高校サッカー選手権＞
父方の曽祖父である義忠さん（享年55）は、自動電気釜の発明者。55年に炊飯器として初めて発売され、爆発的に売れて生活に浸透した。社会に大きく貢献した義忠さんに会ったことはないが、祖父の親史さんに幼少期からよく話を聞いた。01年に放送されたドキュメンタリー番組「プロジェクトX」で取り上げられた映像も見た。
一時は倒産寸前になったところから炊飯器を完成させる姿に「諦めないで最後まで貫くことはきっと報われる」と学んだ。自身は4月に骨折して手術し、夏の高校総体の1週間前に半月板のけがもあって大会を棒に振った。全治6カ月の診断で選手権も絶望視されたが、ときには太鼓をたたく応援役に回りながら、登録メンバー入りするまでに回復した。
今後は一般入試での大学進学が希望で、サッカーを本格的に続けるのはここまでにするつもり。「最後は思うような結果は出なかったけど、3年間に後悔はまったくない」。将来の夢は経営者だ。「日本と海外をもっと深くつなげられるような仕事をしてみたい」。サッカーを通して不屈の心を培い、これからは偉大な曽祖父のように、社会を支えるための道に進む。【岡崎悠利】
