「高校サッカー地図」は100年で大きく変わっている。戦前は兵庫の時代、戦後は地元大阪と広島、埼玉、静岡の「御三家」時代が続いた。1976年度からの首都圏開催では関東と静岡勢が活躍、90年代は国見、鹿児島実、東福岡の九州勢が大会を席巻した。

ただ、2000年以降は「〇〇時代」がない。群雄割拠で、毎年のように上位校が変わる。優勝を経験した都道府県は過去99大会で25あるが、うち8県は第80回大会(01年度)以降が初優勝。今回も、大津が熊本県勢初の決勝進出、優勝ならもちろん県勢初になる。

かつて東北は「サッカー不毛の地」と呼ばれた。冬場は雪で満足な練習ができなかった。それでも、青森山田は4大会連続で決勝進出。「高校サッカー地図」を塗り替えてみせた。この20年は地方の時代。これまで中央に敗れてきた地方のチームが巻き返した。その象徴が東北の青森山田と九州の大津の決勝戦だ。