アルビレックス新潟はホームでヴァンフォーレ甲府を2-0で破り、開幕5試合目で今季初勝利を挙げた。前半26分、FW谷口海斗(26)が今季初先発のMF松田詠太郎(20)のクロスを右足で合わせて先制点を奪うと、同31分にMF伊藤涼太郎(24)が右足ボレーで追加点。後半は押し込まれる時間が増えたが、GK小島亨介(25)の好セーブなどで無失点に抑えた。FW陣に待望の今季初ゴールが生まれ、暫定順位は9位に浮上。次節26日、ホームでザスパクサツ群馬と対戦する。

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ストライカーが目を覚ました。谷口は前半26分、右サイドを突破した松田のクロスをゴール中央で待ち構えると、右足でニアサイドを打ち抜いた。開幕から5戦目でチーム初の先制点。チームを勢いづけた自身今季初ゴールを振り返る。「あの位置に入るよう(スタッフに)言われていたし、いいパスくれた(松田)詠太郎のおかげ」。

先制点を引き出したのは今季初先発の松田だった。スピードに乗ったドリブルで右深くをえぐり、低く、そして丁寧なラストパスを通した。「最初にクロスを上げるタイミングもあったが、スペースにうまく進入できた」。先制後はチームメートにもみくちゃにされた。「いい雰囲気で試合ができた。今日は自分の良さが出せた」と言った。

谷口は試合前は美声!? でサポーターを沸かせていた。ビデオメッセージでサポーターの応援チャント「アイシテルニイガタ」を熱唱。歌声をスタジアムに響かせると、サポーターは手拍子で大盛り上がり。歌い出しは音程が安定しなかったが、最後はうまくまとめた。「(合格点には)まだまだ。次に生かしたい」と歌に関しては笑顔でリベンジを誓った。

昨季開幕戦から全試合先発出場を続けていたMF高木が新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者に認定されて欠場していた。司令塔を欠く中、2ボランチの高と島田が要所を締め、両翼の本間と松田が強気にドリブルを仕掛け、主導権を握った。中央からは伊藤と谷口のコンビで何度もゴールに迫り、前半31分には伊藤が追加点を奪った。松橋監督は「前半はいい形が出せた。ただ、後半は耐える時間が増えたので、そこは修正点」と今季初勝利にも反省は忘れない。

次節26日は2戦連続ホームでの群馬戦。谷口は「ゴールを決めて勝利に貢献したい。次も狙っていきます」。連続ゴールを決めての連勝に気持ちを向けた。【小林忠】