沢登正朗監督(52)率いる清水エスパルスユースが、今季初勝利を挙げた。履正社(大阪)との乱打戦に5-4で辛勝した。3-3で迎えた後半41分、FW斉藤柚樹主将(18)がこの日2点目。2分後に追い付かれたが、直後の同44分にFW成沢夢行(ゆあん、17)が決勝点を挙げた。今季開幕2戦は、後半ロスタイムの失点で連敗。自信を失いかけたチームが、終盤の点の取り合いを制した。沢登監督は「連敗した後の、この1勝は大きい。選手は不安がとれたと思う」と気遣った。

Jリーグ清水の現役時代には、14年間でチーム最多の85得点を稼いだ。指揮官を見習うかのように、下部組織の選手たちがゴールを重ねた。斉藤は「勝ち切れて良かった。2本とも落ち着いて決めることができた」と満足げ。成沢は「ほっとした。得点するまでに、シュートを2本外していたので、責任を感じていた」と振り返った。

前半は3得点した後、3失点。3-3で折り返した。沢登監督は「選手は負けているような雰囲気だった。気持ちの切り替えをさせた」。守備陣がプレーの精度を上げ、後半は1失点。「課題は守備力だが、後半は修正できていた」と評価した。清水で現役引退後、古巣に17年ぶりに戻ったレジェンドが、ユース監督として公式戦初勝利。節目の1勝を弾みにして、連勝を目指す。

◆沢登正朗(さわのぼり・まさあき)1970年(昭45)1月12日、富士宮市生まれ。東海大一高(現東海大静岡翔洋高)2年時に全国選手権優勝。3年時は同大会準優勝。東海大では1、3年時に全日本大学選手権優勝。卒業後の92年に清水入団。93年のJリーグ初代新人王を獲得。主将として96年ナビスコ杯優勝に導いた。J1通算381試合85得点。日本代表Aマッチ16試合3得点。現役引退後の2006年からサッカー解説者などを務め、13年から今年1月まで常葉大サッカー部を指揮した。家族は夫人と2女。血液型B。