J3藤枝MYFCは延長戦の末、4-2で静岡産大に競り勝ち、2015年以来7年ぶりの本大会出場に王手をかけた。同点で迎えた延長前半にFW土井智之(24)のPKで勝ち越しに成功。格下相手に苦戦しながらも、Jクラブの意地を見せた。J3アスルクラロ沼津は1-0で藤枝市役所に完封勝ちした。勝利した2チームは県代表の座を懸けて、5月8日に草薙陸上競技場で対戦する。

藤枝が劣勢から底力を見せた。1-1のまま延長戦に突入すると、同1分にリードを許した。大学生相手に追う展開となったが、ギアを一段階上げた。同10分にCKから同点とすると、14分にPKを獲得。FW土井はキッカーを志願した。「自分の仕事は点を取ること」。冷静にGKの動きを見極め、ゴール右隅へ。リーグ戦で今季2得点を挙げているエースが途中出場から決勝点を奪った。

終了間際にはFW大石治寿(つぐとし、32)が追加点。試合内容には課題を残すも、「勝ちきって次に進めたことはよかった」と悲観しなかった。リーグ戦は現在2連敗中。この日は悪い流れを断ち切るための一戦と位置付けて臨んだ。須藤大輔監督(44)も「勝てたことをポジティブに捉えたい」と及第点を与えた。

7年ぶりの本大会出場を懸けた決定戦は、J3同士のライバル・沼津と対する。互いに手の内を知り尽くす相手との一戦を見据え、土井は「一発勝負は難しい戦いになるけれど、勝てるようにコンディションを上げていきたい」と力を込めた。苦戦しながらも勝負に徹した戦いをリーグ戦につなげ、宿敵との大一番に照準を合わせていく。【神谷亮磨】