サッカー女子プロリーグ「WEリーグ」初代女王の座が目前に迫ったINAC神戸は26日、神戸市内での練習を報道陣に公開した。

最短29日に決まる栄誉へ、なでしこジャパンMF成宮唯(27)が取材に応じた。

「(優勝を)目標に掲げて、これまで必死に戦ってきた結果。ホームで優勝を決めて、たくさんの人と喜びをわかち合いたい」

12年U-17女子ワールドカップ(W杯)に出場した成宮は、昨年はなでしこジャパン初出場、今年1月には初得点も決めた。

INAC神戸では2、3列目で司令塔の役を担いつつ、ここまでの4得点(15試合)は、FW田中美南の5得点に次ぐチーム2番目のゴール数。今、最も旬なWEリーガーの1人だ。

21年途中まで在籍したジェフユナイテッド市原・千葉レディースでは、アマチュア選手のために週2回、保険会社の事務で生計を立てていた。新天地INAC神戸ではプロ契約を結び、生活が一変した。

「体のケアを含めて、サッカー中心の生活ができている。自覚と責任が芽生えました」

京都市右京区太秦の生まれで、JFAアカデミー福島や、ベガルタ仙台レディースなど全国のチームで経験を積み、その結晶の場所が神戸になる。

「私たちが優勝し、神戸の方々にINAC神戸を知ってもらいたい。見ておもしろいサッカーをすることが使命です」

29日はサンフレッチェ広島レジーナと戦う。本拠ノエスタを使用するのは今季最後になる。

首位INAC神戸が勝った上で、他会場の2位三菱重工浦和が引き分け以下か、INAC神戸が引き分けても浦和が負ければ優勝が決まる。今季13勝2分けの無敗でリーグ戦を独走してきたチームの大黒柱が、最後の大仕事に向かう。