左膝の負傷で長期離脱していたヴィッセル神戸の元日本代表FW武藤嘉紀(29)が、約2カ月ぶりの復帰戦でいきなりゴールを決めた。

1-1で迎えた後半42分、MF井上の右CKをゴール前の武藤がヘッドで鮮やかに決めた。これが決勝点になると思われたが、その後の失点で2-2の引き分けに終わった。それでも、既に突破を決めていた1次リーグは2勝2分けで首位を守って全日程を終了した。

武藤はこの試合、ベンチスタートから後半19分、FW大迫と同時投入されて前線でプレーした。

マンオブザマッチに選ばれた武藤は、記者会見で「自分たち自身、勝ちきりたかったのが本音だが、相手が決勝トーナメント進出を懸けた戦いで、少し受けてしまったところがある」と反省。それでも「結果は引き分けで終わったが、自分たちがやりたいことはできたと思うので、それは決勝トーナメントにつながる」と前向きに話した。

武藤は3月2日のJ1リーグ横浜Fマリノス戦の前半途中、相手ゴール前での接触プレーで負傷し、左膝内側側副靱帯(じんたい)損傷と診断され、全治は約8~10週間の見込みと発表されていた。J1では今季4試合1得点だった。

背番号11のエースは「長い間、チームを離れて迷惑をかけてしまったので、今日はゴールを取ろうと考えていた。状態は100%ではないので、もっと努力していいコンディションにもっていきたい」と意気込んだ。

神戸はこの後、タイから帰国。開幕10戦(4分け6敗)で最下位に沈むJ1リーグに向けて調整し、8日のガンバ大阪とのアウェー戦から再スタートを図る。