鹿島アントラーズが日本代表FW上田綺世(23)の2得点で磐田に快勝し首位をキープした。1点目は得意の動きだしから、2点目は相手DFを3人かわし強烈な左足シュートでネットを揺らし、今季早くも7得点を積み上げた。磐田のベテランMF遠藤保仁からは得点パターンの多さを絶賛された。チームを勝たせるエースは、11月のW杯カタール大会へ着実に歩みを進めている。

   ◇   ◇   ◇

これぞエースの働きだった。1-0の前半35分、上田はFW鈴木のスルーパスに抜け出し左足シュートで加点。圧巻は1点差に追い上げられた後半33分だった。ペナルティーアーク付近でボールを受けると、ドリブルでペナルティーエリアに仕掛け、相手DF3人を振り切り強烈な左足シュート。チームの苦境を救う一撃に、派手なガッツポーズも飛びだした。「後ろの選手は失点からピリピリしていたと思うし。それを助けられるのも前の仕事」と胸を張った。

武器は、多彩な得点パターンにある。J1通算35得点のうち、右足で25点、左足で3点、頭で7点。「25メートル以内は自分のレンジ」と話す通り、ミドルも多く、今季2得点がペナルティーエリアの外から決めている。経験豊富な磐田MF遠藤も「得点パターンも非常に多い選手」と絶賛し「経験を積んでいけば代表でも戦力になるような選手。対戦してる時以外は応援してます」とエールを送ったほどだ。

自身も「ゴールのバリエーション、種類はFWの価値に直結する」と分かっている。だからこそ、シュートの練習では右も左も交互に打つ。子供のころから、両足を使ってシュートを打っており、左右で苦手意識はない。「シュートは感覚が大きい。常にそれを養わないといけない」。居残りでシュート練習で日々、感覚を養う。

理想像は、どんな環境でも、どんな(出場)時間でも点を決めるFW。「今日も外したシュートがある。もっと精度を上げる練習をしないと」。常に、引き出しを増やす作業にまい進する23歳が、W杯カタール大会への歩みを着実に進めている。【岩田千代巳】

【詳細スコア】鹿島-磐田はコチラー>