新潟経営大が23年4月に女子サッカー部を創部する。監督には同大男子サッカー部OBで、アルビレックス新潟シンガポール(S)でプレーした稲葉旬氏(29)が就任する。これまでのサッカー人生は挑戦の連続。新たなミッションはゼロからのスタートとなるが「立ち上げ3年目での北信越女子リーグ1部昇格」という目標を掲げる。選手とともに成長し、女子サッカーの発展に力を注ぐ。

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来春からのスタートに向け、稲葉監督は現在、県内外を飛び回り、選手をスカウティングしている。1期生は15~20人を予定。少しの不安は感じるが、大きな喜びとやりがいが勝る。「楽しくてしょうがない。目指すのは攻撃的スタイル。選手の特長を伸ばし、見ている側も、プレーしている側も楽しめるサッカーを展開したい」と熱き思いを語る。

新潟市出身で、新潟経営大ではサイドのドリブラーとして活躍した。卒業後、1年間在籍した新潟Sではボランチにコンバートされ、GK野沢洋輔(42=新潟営業部)FW河田篤秀(29=J2大宮)らとともに戦い、リーグカップ戦と国内カップ戦の2冠達成を経験した。新潟S退団後はラトビアで3カ月間トライアウトを受け、16~21年はJAPANサッカーカレッジでプレーを続けた。「いろいろな土地でプレーした。経験を選手に伝えたい」。

古傷の左膝の状態が思わしくない中、現役続行も視野に入れていた。だが昨年末に同大サッカー部の杉山学統括部長(53)から新設の女子サッカー部監督就任を打診された。「簡単なミッションではないが『やります』と即答した。大好きな新潟、育ててくれた大学への恩返しがしたい」という思いだった。

新潟県内の大学では新潟医療福祉大(北信越リーグ1部)、新潟大学(新潟県リーグ)に続く3チーム目の女子サッカー部となる。県リーグからのスタートが見込まれており「3年目での北信越1部昇格」が目標となる。「県内の女子サッカーを盛り上げたい。常に選手目線に立ち、ともに成長していきたい。そしていつか、プロを輩出したい」と青写真を描いた。【小林忠】

◆稲葉旬(いなば・しゅん)1993年(平5)1月16日生まれ、新潟市出身。小4でFC東山の下ウイステリアでサッカーを始める。藤見中から新潟東高に進み、2年時に元新潟DF川口尚紀(J1柏)MF小塚和季(J1川崎)らと09年新潟国体に出場。新潟経営大では2年時からスタメンに定着し、4年時に北信越大学1部リーグベストイレブンに選出された。15年新潟シンガポール。16~21年JAPANサッカーカレッジ。173センチ。

 

◆新潟経営大学 94年4月設立。観光経営学科、スポーツマネジメント学科、経営情報学科があり、現在594人が通う。創設21年目の男子サッカー部はこれまで総理大臣杯7度出場(07年ベスト8)、全日本大学選手権4度出場(13年ベスト16)、天皇杯3度出場。18年ロシアW杯日本代表GK東口順昭(J1G大阪)や、DF新井直人(J2徳島)らプロ選手を輩出している。